STORY

ストーリー
2022.02.04
  • へんしんバイク

ぼく、のれるようになったから、つぎの子にあげたい

息子が4歳の時、お姉ちゃんのおさがりでもらったへんしんバイクは、ピンク色でした。

新品じゃないし、ピンク色も嫌がるかなあ?と思いましたが、
「ぼく、このへんしんバイクがだいすき!」と言って、大喜びで公園に通い、
1週間くらいで見事に乗りこなせるようになりました。

6歳になった時、新しい大きな自転車を買うことになったので、
「もう、へんしんバイク処分するね。」というと、

「ぼく、これで一人でも自転車にのれるようになったから、
まだ自転車に乗れない次の子に、あげたいな。」
と言ったんです。
私は、それを聞いてハッとしました。

息子にとって、このへんしんバイクは、ただの乗り物ではなく、
毎日一緒に成長する、相棒のような存在だったんだと。

外見の好き嫌いじゃなく、一緒にいて楽しいかどうか。
自分に合わなくなったから「さようなら」じゃなく、次にぴったりな友達を作ってあげたい。
子供の日々の成長を見守るとき、ついつい目で見てわかりやすい
「できるようになった!」という、達成度ばかりを注目してしまいがちですが、

目には見えない心の成長も、この子にはたくさんあるんだと、改めて気づかされました。

モノを大切にする気持ち。
自分以外の誰かのことにまで、意識を広げられる想像力。
息子の心の中で育ったたくさんの成長のカケラは、ずっと残るものだし、
このへんしんバイクは、次の子にもたくさんの思い出を作ってくれるんだろうなあ、
と思っています。

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